ゲームブック ドラゴンクエストⅡを熱く語る!

不朽の名作「ゲームブック ドラゴンクエストⅡ」(エニックス版)                                        完成度の高い作品をゲームと比較しながら熱く語ります。 Twitter もあります→ https://twitter.com/john_dq2_book

【創作 ⑥】 おたのしみは...。

おれとナナは、ローレシア王が用意してくれた客室へ向かっていた。

 

おれたちにはそれぞれ個室が用意されてたが、ナナは疲れて眠ってしまった

ティアとリーナを部屋に招いて、今は2人一緒に寝かせているらしい。

今夜はこのまま女3人で、夜どおし楽しくすごすのだと言っていた。

 

よし、ティアがおれのところに来ないのは好都合だな。

 

おれはナナを部屋まで送り届けてから、各人の客室をまわった。

アルファズル・ルプガナ船団長・オルム・グランログザー師匠に声をかけ、あとで

おれが泊まる客室まで来てもらい、今後の方針について話し合うことにしたのだ。

 

別にナナに内緒で進める必要はないんだが

あいつは唯一の生存者であり王女でもあり、これからやるべきことが山積みだ。

せめて人集めぐらいはおれたちだけで進めてやってもいいだろう。

 

それにおれたちが人集めに奔走していると知ったら、ナナは気をもむだろう。

ナナには、いざ着工という段階になって知らせるのが1番だ。

 

王子とミリアは『おたのしみ♡』かもしれないと、王子を呼ぶのは遠慮したが

ルプガナ船団長の部屋に行くと、船団長は「ミリアは戻って来てるよ」と言った。

王子にも協力してもらいたいことはたくさんある。おれは王子の自室へ行ってみた。

 

まだ寝てるかと思いきや、ドアの前に立つとかすかに話し声が聞こえてくる。

ノックしてみたところ、ドアが開き、中からサイラス卿があらわれた。

背後には、赤い顔をした王子が疲れた表情でベッドに腰掛けているのが見える。

 

「これはこれは、カイン殿下。さあ、どうぞお入りくださいませ」

サイラスは身体を横にずらしておれを部屋の奥へと招き入れると

「殿下。先ほどの話はくれぐれもお忘れなきように。頼みましたよ。

 お2人とも羽目を外さないように、今夜はごゆっくりおくつろぎください。

 では、殿下、カイン様。私は失礼いたします。」と一礼して出ていった。

 

「おう、大丈夫なのか?」

おれはサイラスが出ていくのを見送ると、王子の隣に腰掛けた。

 

「うん。心配させて悪かったね。気分が悪くて、頭痛もしてたんだけどね。

 ミリアがぼくの様子を見て、酔い覚ましに効くスープをつくってくれたんだ。

 海の男は大酒飲みが多いから、以前から家ではよくつくっていたらしいよ。

 それを飲ませてもらって、ひと眠りしたらずいぶん気分が良くなったよ」

 

「サイラスも心配して来てくれたのか?」

おれの問いかけに王子は首を振って小さくため息をついた。

 

「サイラスはいつものさ。実はミリアを追い出したのはサイラスみたいなんだ。

 ぼくが寝てるときに来たらしくてね、ミリアが1人で部屋にいるのを見たら

 『ここは嫁入り前の娘さんがいる場所ではないでしょう』退出させたらしい。

 ミリアには悪いことしちゃったよな。あとで謝っておかなきゃ」

 

王子はサイドテーブルに置かれた水を一口飲んで、ふうっと息をついた。

「それで、ぼくが目を覚ましたら、怖い顔でサイラスが見下ろしていたんだ。

 ぼくは起きたばかりだっていうのに、サイラスはひどく怒っていてね。

『殿下はこれから誉れ高きローレシアの国王になられるというのに

 酒に酔ってご来賓の前で醜態をさらすとはいかがなものか』だってさ」

 

おれがフッと鼻で笑うと、王子も肩をすくめて苦笑した。


「さらに『婚約もまだ交わしていないというのに、年端もいかない娘さんを

 自室に招いて介抱をさせるとは。なんとふしだらな。ああ、嘆かわしい』って

 大げさに泣きまねするんだ。その後は、【お酒と上手に付き合う方法】と

 【理想的な国王のあり方】について延々と説教されていたところさ。

 カインが来てくれて本当に助かったよ」

 

f:id:john0910:20171207061755j:plain 青の騎士団長「サイラス」

礼節には滅法うるさい男です ( *´艸`) 

 

「ははっ、おまえも大変だな。どうだ? 気分転換におれたちのところへ来ないか?

 おまえにも話しておきたい大事なことがあるんだよ」

 

「え? おれたち?話しておきたいこと?いったいなんのことだい?」

 

「まあまあ。ローレシア国王陛下様にも、ぜひご協力いただきたい話さ。

 くわしくはあっちで説明するよ。さあ、行こうぜ」

 

おれは王子の肩に腕をまわすと、きょとんとしているあいつを強引に連れ出した。

 

 

前回はナナとの会話だったので、今回は王子との会話にしました~。

 

ゲームブックでは、カインとナナがしゃべっているシーンが多いですよね。

王子は心の中でボヤいてたり、たまにトンデモな天然発言をしたり... (;´∀`)

 

いざ、会話させようとすると「王子ってどんな口調だっけ (@_@;)??」と

わからなくなって、ゲームブックを読み返しました (;´∀`)

 

ついでに、せっかくローレシア城にいるんだからと、あいかわらずのサイラスも

登場させてみました~ ( *´艸`)

 

それにしても、話が進みませんね~ (;´∀`)

書いている私はノリノリ♪ なんですが、⑥まで進んだというのに

まだ1日(半日?)が終わってないなんて…(>_<;)

みなさまが飽きていないことを祈りつつ、今回はこのあたりで。

 

 

次回もお楽しみに~ヾ(*´∀`*)ノ