おれの補佐役を任されたモルディウスにねちねち余計な小言を言われねえように 親父たちが出かけてから、おれは連日のように執務室にこもって国政の勉強を続けた。 そして、親父と王妃がテパの村へ旅行に行ってから4日目の朝を迎えた。 この日は、サマルトリ…
おれは昔の親父と王妃をよく知るばあさんを自室に招き、2人の馴れ初めを聞いた。 当初「母を亡くした幼いおれの遊び相手」として城に招いた女を気に入った親父は、 ろくに口も聞けないおれをダシにして「カインが喜ぶから」と3人での時間をつくり 女との交…
親父との見合いの席を「おれとの泥遊び」を優先してすっぽかした女(今の王妃) すっぽかされてすっかり立腹していた親父は最初、女を追い返すつもりだったが おれと女が一緒に遊んだことで心を通わせて幸せそうに微笑みあっているのを見て 「息子の遊び相手…
おれは「夕食の給仕してもらう」という名目でばあさんを自室に招き、王妃が初めて 王宮に来た日の話を聞いた。 おれは知らなかったんだが、おふくろの喪が明けたばかりでまだ再婚に消極的だった 親父のために、妃候補として良家の女がたくさん謁見の間に集め…
親父と王妃がテパの村へ旅行に行ったので、おれは4日後にナナがサマルトリアを 訪ねてくるように、サンチョに頼んで万全を期した根回しをしておいた。 あと4日後までにやるべきことはモルディウスの監視の目を和らげておくことだけだ。 2日間、朝からずっ…
親父と王妃がおれにサマルトリア王代理をまかせ、テパの村へと旅行に行った。 おれは親父たちが出かけた後でナナをサマルトリアへ招き、王様代行を見事に努める おれ様の立派な勇姿を見せつけてやろうと思っていたが、親父がおれの補佐になんと モルディウス…
テパの村に行きたいという親父と王妃のため、おれは村を訪れてレオンに通訳を頼み サマルトリアへと戻ってきた。 自分の務めを果たしたことを報告するのに、おれは謁見の間に親父と王妃を呼び出して テパの村でレオンに会ったことを伝えた。 レオンの人柄を…
おれは親父たちの通訳をレオンに依頼するためテパの村へ行き、夜は成り行きで そのまま村で開催された宴に参加した。 村人に注がれるまま酒を飲み続けたおれは、酔いつぶれてしまったらしい。 ぶっ倒れたおれを村の奴らは担ぎ上げて宿屋に運び、宿代も出して…
旅行でテパの村に行きたいという親父と王妃の希望を叶えるため、おれはテパの村で レオンに会い通訳を依頼した。 レオンは親父たちの通訳を快諾してくれて、おれはそのまま帰っても良かったんだが 観光でテパの村を訪れた子どもが奇怪な刺青の男におびえて泣…
ティアが勇者の泉に行ってしまい、寂しくなって涙ぐむ王妃を慰めるために親父は 夫婦2人での旅行を提案したらしい。 ベラヌールやペルポイなど、利便性が高くて活気のある町はたくさんあるというのに 王妃は「テパの村」に行きたいんだとか。ホント、困った…
旅に出るティアたち一行を見送っておれが自室に向かうと、部屋の前には王妃がいて おれが戻ってくるのを待っていた。 ティアが旅に出て寂しがる王妃を慰めるため、親父が「気晴らしに旅行へ行こう」と 王妃を誘ったんだそうだ。 親父たちが旅行に出ている間…
ティアたちが旅に出る日の朝。 おれはティアが出発前に親父や王妃に謁見する予定になっていたことを思い出した。 おれはティアの部屋の扉を激しくたたき、謁見の約束をしたことなんてすっかり忘れて 部屋で遊んでいたティアを怒鳴りつけ、すぐさま謁見の間に…
ティアたちが旅に出る日の朝。 旅に同行する奴らが誰1人として魔法を使えず、途中でケガしたり毒を受けたときに 回復手段がないことを思い出したおれは、城を飛び出して道具屋に駆け込んだ。 道具屋の主人に頼んで、ありったけの薬草と毒消し草を詰めた袋を…
おれは何度目かの寝返りをして舌打ちした。 くそっ! なんで眠れねえんだ! ティアとクリフトが勇者の泉とローレシア南のほこらまで行ってくるだけじゃねえか! 2人だけで行くんじゃなく、ティメラウスやリオスまでその旅には同行するんだぞ! しかも、ガキ…
トルネコさんに聞いた話のとおり、ローレシア南のほこらに旅の扉はあったの。 虹色の光がうごめく水たまりのような場所に足を踏み入れたら瞬間移動できるのよ! ここから一瞬でデルコンダル城に行けるなんて、まるで夢のような話よね。 あたしは「行ってみま…
グランログザー師匠に、ローレシア南のほこらでひと晩ゆっくり休ませてもらって 翌朝、あたしたちはキメラの翼を使ってサマルトリアに帰るだけになったの。 早くサマルトリアに帰りたい気持ちもあるけど、冒険が終わっちゃう寂しさもあって あたしは複雑な気…
ローレシア南のほこらに到着して、グランログザー師匠に会えたあたしたち。 クリフトは、旅に出る前におにいちゃんに書いてもらった手紙をお師匠さまに渡して 弟子にして欲しいとお願いしたの。 「弟子になりたいのなら、一番弟子のダクダクバンボのことは知…
長い道のりだったけど、ようやくローレシア南のほこらに到着したあたしたち。 グランログザー師匠はほこら近くの浜辺で流木を拾ってたけど、あたしたちに気づいて 「めずらしいお客さんたちが来たな」と言いつつ、ゆっくりとこっちに歩いて来たわ。 ティメラ…
デルコンダルから旅の扉を使って魚を売りに来たという商人・トルネコさん。 トルネコさんからお魚をもらったあたしたちは、その場でさっそく調理したのよ。 「魚が焼きあがりました!」と嬉しそうに串を掲げたクリフトは、なんと飛んできた ドラキーに襲われ…
ローレシア南のほこらへ向かう途中、あたしたちは旅の扉を使ってデルコンダルから お魚を売りにやって来たという商人・トルネコさんに出会ったの。 この世界のトルネコはデルコンダルの魚屋さん ( *´艸`) 以前、旅の扉をくぐって来たときは時空の変化で弱っ…
ローレシア南のほこらへ向かう途中、ティメラウスはあたしを元気づけるために 腕をふるっておにいちゃんから習ったという特製スープをつくってくれたの。 おにいちゃんのスープには及ばないけど、懐かしくて美味しいスープを飲んだあたしは 無性におにいちゃ…
あたしたちは勇者の泉を出て、ローレシア南のほこらをめざして歩き始めたの。 でも、洞窟では毒蛇に襲われたりクリフトが倒れたり、いろんなことがあったでしょ? 回復魔法を受けて体力的にはまったく問題ないんだけど、なんだか疲れちゃったのよ。 あたした…
勇者の泉でキングコブラに噛まれて倒れちゃったクリフトを、奥の癒しの泉へ運び 清めの水で解毒してもらったわ。 解毒してくれたバプテスマのおじいさんは、クリフトが命の危機に瀕してもあたしを 守ろうとする姿に感動したと言って、クリフトにホイミの呪文…
キングコブラに喉元を噛まれて卒倒しちゃったクリフトをティメラウスが背負い、 あたしたちはバプテスマのおじいさんがいる泉をめざして洞窟を進んだの。 癒しの泉にたどり着くまでの間にクリフトが死んじゃうんじゃないかって、あたしは 怖くて怖くてたまら…
勇者の泉の洞窟に入ったあたしたち。 リオスさんがほら穴からお金を拾ってきたのを見て、あたしもとびっきりのお宝を 見つけてみせるわ! と、張り切って壁に開いていた穴に腕を突っ込んだあたし。 その穴は毒蛇の巣穴だったみたい あたしは穴の中にいたキン…
サマルトリアを出発してから、かれこれ何日ぐらい経ったのかしら? 何日も歩き続けて、あたしたちはようやく「勇者の泉」の入口にたどり着いたのよ。 やっと洞窟の入口が見えて嬉しくなって駆け出したあたしの前に、ブクブクと泡立つ 流動体が流れてきたの。…
ようやく勇者の泉に着きそうだわ。 あたしたちは勇者の泉につながる大きな橋を渡った先の草原でひと休みしたの。 ティメラウスとリオスさんは草の上で寝転んでお昼寝し始めたから、あたしは木陰で クリフトとのんびりすごしていたの。 クリフトったら「この…
勇者の泉に向かっていたある夜。 あたしは幽霊に「おまえは正式なサマルトリアの王女ではない」と襲いかかられたの。 幽霊はなんとかやっつけたんだけど、あたしは以前いじわるそうなおばあさんから 「前の王妃様が死んだから、仕方なくあんたの母親が後妻に…
勇者の泉に向かっていたある夜。 眠っていたあたしがふと目を覚ますと、目の前に幽霊がふわふわと漂っていたの! フハハハハ! 偽物の王女め、積年の恨み晴らしてやるぞ! すぐ間近で見る幽霊の姿と、耳をしっかりふさいでも頭の中に響いてくる幽霊の声に あ…
サマルトリアを出発して、みんなであたしがつくったお弁当を食べようとしていたら ガンバってつくった砂糖菓子に毒々しくて醜いアリがかじりついていたの。 ティアの砂糖菓子にかじりつくアイアンアント せっかくつくったお菓子なのに!! 台無しにするなん…