ゲームブック ドラゴンクエストⅡを熱く語る!

不朽の名作「ゲームブック ドラゴンクエストⅡ」(エニックス版)                                        完成度の高い作品をゲームと比較しながら熱く語ります。 Twitter もあります→ https://twitter.com/john_dq2_book

【創作 71】開花

ムーンペタの宿屋に泊まったおれと王子は、翌朝は宿屋の食堂で朝食を取っていた。

そこへナナ・ティア・リーナがやって来て、5人で一緒に朝食を食べることになった。

 

腹をすかせておれの朝食を勝手に食うティアとぎゃあぎゃあ言い合ってるところへ

サイラスが現れて、王子を一緒にローレシアに連れて帰ると言い出した。

 

昨夜は一方的に説教されたからな。仕返しとばかりに今回はおれ様がサイラスに

「自分の本分を忘れるな!」「もっと王子を信頼しろ!」と説教してやった。

 

おれの説教を受けたサイラスは「青の騎士団の3人を王子に同行させる」のを条件に

1人でローレシアに帰ることに同意した。

 

 

サイラスが帰国のために去って行ったので、おれたちは再び食事を続けることにした。

 

よっぽど腹が減っていたのか。ティアはおれのパンやスープを勝手に食っただけじゃ

まったくおさまらず、自分に用意された分もペロリと平らげてしまった。

 

 

「おまえよお、これから作業するんだぞ。そんなに腹いっぱいで動けるのかよ」

 

食堂を出て外に向かって歩きながら、おれはあきれ顔でティアに言った。

 

「やめてよ、おにいちゃん。そんな大きな声で変なこと言わないで! 人に聞かれたら

 まるであたしが食いしん坊みたいに思われて恥ずかしいじゃない」

 

「へっ。あんだけガツガツ食っておいて、今さら恥ずかしがってどうするよ。それに

 おまえが食いしん坊じゃなかったら、他に食いしん坊なんていねえだろうがよ」

 

「あたしはレディだって言ってるでしょ!」

 

 

ティアとくだらねえ話をしながら外へ出ると、サイラスとアルファズルが立っていた。

冷静な2人だから声を荒らげている様子はないが、なにやらもめているようだ。

 

王子が宿屋から出て来るのを待つ間に、団長の見送りをしようとしていた兵士たちは

3人ともおろおろしながら、サイラスとアルファズルの顔を見比べている。

 

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「どうしたんだい?」王子が2人に尋ねる。

 

「いや、たいしたことではない。サイラス殿をローレシアまで送ろうと申し出たのだが

 頑なに断られてしまってな」

 

「私1人のために賢者様の手を煩わせるのは大変忍びなく思い、1人で帰れますと

 申し上げたのですが、どうしても聞き入れていただけなくて...」

 

 

サイラスが頑固で堅物なのは知っているが、常に落ち着いて冷静沈着なアルファズルが

自分の意見を通そうとするのは珍しい。

 

腕を組み気難しい顔で目を閉じているアルファズルを見て、おれはハッとした。

 

おれはまだ修行中の身で、アルファズルやグランログザー師匠のように魔法の力を

使いこなすことは出来ねえが、そんなおれでもアルファズルの気持ちは理解できた。

 

 

おそらく、昨日アルファズルは実際に王子の顔を見たことで、王子は自分自身が

『破壊神を破壊した男』と呼ばれていることを知っていると察したのだろう。

 

王子が「自分自身につけられた『不名誉な異名』を知っている」とわかったうえで、

アルファズルは1番の臣下であるサイラスと話がしたいと思っているのだ。

 

 

「サイラス。謙虚で遠慮深いのは、確かにおまえの良いところかもしれねえけどよ

 大賢者様のせっかくの好意をむげにするのは違うんじゃねえか? なんでもかんでも

 遠慮すりゃいいってもんでもねえだろ?」

 

アルファズルの気持ちを理解したおれは、アルファズルに加勢した。

 

「ぼくもそう思うな。サイラス、きみはときどき融通が利かないところがあるんだよ。

 もっと人に対して心を開いて、人の親切は素直に受け入れた方が良いと思うな」

 

「王子の言うとおりだぜ。おまえもおれたちの『仲間』だろ? そしてアルファズルも

 おまえの『仲間』だよ。仲間同士なのに遠慮する必要なんてねえだろうが」

 

おれと王子がアルファズルの味方についたことで、ようやくサイラスも折れたようだ。

 

「わかりました。よろしくお願いいたします」とアルファズルに向けて頭を下げた。

 

おれと王子は顔を見合わせて微笑んだ。

 

アルファズルはサイラスの肩をポンポンと叩き、おれと王子の顔を見てうなずくと

サイラスを連れて、ルーラでローレシアへと向かって行った。

 

 

サイラスとアルファズルを見送り、おれたちはルーラでムーンブルクへと向かった。

 

遅くなるのも良くないと思い集合時間よりかなり早く到着したが、城近くの草原には

すでに1人の可憐な少女が立っていた。

 

「王子さま!」

 

王子を見つけたミリアが嬉しそうに微笑む。

 

ミリアの姿を見て、おれは密かに警戒した。

まったく、こいつらは2人の世界に入って周りのことがちっとも見えてねえからな。

ティアやリーナもいるってのに、朝っぱらから見せつけられるのも困るぜ。

 

「ミリア!こんな早くから、こんなところでぼくたちを待っていたのかい?」

 

「ええ。ちょっとお願いがあって」

 

ミリアはそう言うと、王子の横をすり抜けてナナのところへやって来た。

 

 

「ゆうべ、バブルスライムハンター?のオーウェンさんに聞いたんです。王女さまは

 ムーンブルクの沼地を改良して、またここに花を咲かせたいと思っているんだって。

 話を聞いてとても素敵だなと思って。良かったら、私にもお手伝いさせて欲しいの」

 

ミリアからの唐突な申し出に、ナナはおどろきとまどっている。

 

「手伝ってもらえるのはありがたいわ。でも、あなたルプガナに帰らなくていいの?」

 

「ええ。お父様にお願いしたの。私も3日間、みなさんのお手伝いがしたいって。

 お父様は最初は絶対ダメだって言ってたんだけど、王女さまのお花のことを伝えて

 私もお手伝いをしたいって言ったら、しばらく考えて『それならいいだろう』って

 認めてくれたのよ。だから、お願いします。私にお手伝いをさせてください」

 

ミリアはナナに頭を下げた。

ナナは慌ててミリアに駆け寄ると、肩に手を添えて上を向かせた。

 

「あたしに頭を下げることないわよ、ミリア。あなたのお父様が良いって言うのなら、

 もちろん、あたしも構わないわよ。これからもよろしくね。じゃあ、あなたには

 あたしの可愛い『仲間』を紹介するわ。この子はティアちゃん。カインの妹よ」

 

 

おれの妹と紹介されてサマルトリアの王女としての自覚が芽生えたのか、ティアは

着ていたローブの裾を持ち少しひざを曲げると、気取った顔で優雅にあいさつをした。

 

「ティアと申しますの。どうぞよろしく」

 

変に気取った顔と言葉に、おれは思わず吹き出しそうになったが

 

「ティア王女さまね。可愛い王女さまだわ。私はミリア。これからもよろしくね」

 

ミリアは小首をかしげて微笑み、優しい笑顔でティアにあいさつした。

 

 

「リーナちゃんは… 前にラダトームで会ってるわよね。あたしの可愛い妹よ」

 

「ミリアおねえちゃん。よろしくね」

 

リーナはミリアに手を差し出した。

 

「リーナちゃん。これからもよろしくね」

 

ミリアは腰をかがめて視線を合わせると、微笑んでリーナの小さな手を握った。

 

 

おれの記憶が正しければ、ナナとミリアはろくに会話を交わしたことがないはずだ。

その2人が言葉を交わして微笑みあってるのは、なんだか薄気味悪いような気もしたが

ムーンブルクの王女と、未来のローレシア王妃が仲良くすることはいいことだ。

 

 

今はぎこちなさが残るが、これから一緒に作業をすることで打ち解けてくれるといい。

おれは淡い期待を込めて女たちを見つめた。

 

 

 

話がまったく進まない~ (;´∀`)

書き始めるとダラダラ無駄に長くなるのは、私の昔からの癖なんですよね~ (~_~;)

 

今は LINE で短いメッセージをポンポンやり合うのが主流ですが、昭和世代の私は

ついつい、長文メッセージになっちゃいます(あと、やたらと手書きが好き (;´∀`))

 

… いや、私の性質は置いといて (;´∀`)

 

今回は、「カインも魔戦士として覚醒して欲しい」「ナナとミリアを仲良くさせよう」

この2本立てで書いてみました☆

 

サマルトリア攻防戦のとき、グランログザー師匠が包囲されたサマルトリア城内と

外で待機しているデルコンダル軍、ルプガナアレフガルド連合軍と魔術を使って

連携を取ったことがありましたよね!

(師匠を追い出そうとしたパパをカインが説得してカッコ良かった~ (*´ω`*)♡)

 

そこまでの魔術は使えないとしても、カインの才能が開花するシーンを書きたくて♡

それだけの理由で、サイラスとアルファズルにはモメてもらいました~ (;´∀`)

 

 

あと、昨夜はルプガナ船団長に腕をつかまれ引っ張られて強制退場したミリアですが

このまま終わるわけないよね ( *´艸`)

 

帰れって言っても帰る娘じゃないので、じゃあ残るとしたら? を想定してみたところ

ついでにナナとも仲良くなれて一石二鳥やん♪ ってことで、こんな展開になりました。

 

 

「おれの記憶が正しければ、ナナとミリアはろくに会話を交わしたことがない」

カインの言葉で書きましたが、これは言い換えると私の記憶です ( *´艸`)

 

ナナとミリアの会話ってないですよね。

唯一、グレムリン戦で負けたときに死んでしまった王子に抱きついて泣くミリアに

「治療をするからちょっと離れてて」と言ったぐらいしか思い出せないんですよね。

(他にもあるよ! という方は、ぜひともコメントで教えてください m(_ _)m)

 

そんなことを言っているカインも、ミリアとはほとんどしゃべってなくて (;´∀`)

ミリアがグレムリンから逃げ、助けを求めて王子の胸に抱きついてきたときに

「おじょうさん、ご安心なさい。ぼくらにまかせれば、怪物の五匹や十匹…」

ミリアを口説こうとしたのが最初で最後、唯一の言葉だったと思います。

(こちらも他にあれば、ぜひともコメントで教えてください m(_ _)m)

 

 

「翌日の話がいつまで続くの (。-`ω-)?」と思っていらっしゃる方もいると思いますが

あと1つだけ、どうしても書いておきたいことが残っているんですよ。

 

なにかわかりますか?

 

 

… そうです!

あの酔っぱらい2人組 ( *´艸`)

 

次回は、カインとナナをひっかきまわした酔っぱらい2人が登場しますよ~ ( *´艸`)

 

 

次回もお楽しみに~ヾ(*´∀`*)ノ