ゲームブック ドラゴンクエストⅡを熱く語る!

不朽の名作「ゲームブック ドラゴンクエストⅡ」(エニックス版)                                        完成度の高い作品をゲームと比較しながら熱く語ります。 Twitter もあります→ https://twitter.com/john_dq2_book

2019-08-01から1ヶ月間の記事一覧

【創作 33】心をひとつに

ムーンペタの教会に1泊した翌朝、簡易ベッドで寝ていたおれは叩き起こされた。 「おにいちゃん、おにいちゃんってば。ねえねえ、早く起きてよ~」 「おにいちゃん、起きて起きて。大変な騒ぎになってるのよ!」 「カイン! ねえ、早く起きて。あの人だかり…

【創作 32】ニアミス

誰もいなくなった教会の前で、おれはしばらくそのまま立ち尽くしていた。 ナナとアルファズルは来なくても、おれがずっと教会に入ってこないのを心配した ティアかリーナが、もしかしたらおれの様子を見に外へ出て来るんじゃねえか? と ひそかに淡い期待を…

【創作 31】 そして誰もいなくなった

翌日にはおれもすっかり回復して、おれたちは予定通りムーンペタへ向かった。 双子の塔が見える例の海岸沿いを通った日は、どんよりとした曇り空だった。 「もうっ!『双子の塔を見たら幸せになれる』って聞いて楽しみにしてたのに! どうして今日に限って、…

【創作 30】 兄想い

熱が下がり体力も回復したおれは、汗を拭き着替えをすませて外へ出た。 今日は1日中寝てたらしい。陽は傾きかけて、夕焼けが空を赤く染めていた。 ぐうぅ~と腹がなり、空腹に耐えられなくなったおれは手持ちの食材を確認した。 いいぞ、干し肉がいくつかあ…

【創作 29】 昨夜のツケ

ナナとおれは歩いてテントまで戻った。 歩いている間に、全身にびっしょりとかいていた汗が冷えたようだ。 さっきから背中にゾクゾクと寒気がする。鳥肌が立つような気持ちの悪い震えが 背中だけでおさまらず腕まで広がってた。 ゾクゾク不快な悪寒が止まら…