ゲームブック ドラゴンクエストⅡを熱く語る!

不朽の名作「ゲームブック ドラゴンクエストⅡ」(エニックス版)                                        完成度の高い作品をゲームと比較しながら熱く語ります。 Twitter もあります→ https://twitter.com/john_dq2_book

【創作 55】懐かしい顔ぶれ

ロトの印のステッカーを胸に、ナナと「おれたちの心は1つ」と誓いを立てた。

この誓いが、おれの考えた策にどう影響するかはわからねえが、おれの真剣な想いは

ナナにも伝わったはずだ。

 

おれは「なるようになるさ」と開き直って、あとは当日を待つことにした。

 

 

ムーンブルク再建の日。

 

その日は朝から晴れ渡っていた。

雲1つない青空がどこまでも広がり、爽やかな風がそよそよと吹いている。

 

 

おれは、朝からずっとそわそわして落ち着かないティアを急き立てた。

 

「ったく! なにも持って行かなくて良いんだよ。なにをバタバタしてんだよ!」

 

「おにいちゃんはわかってないのよ! 女の子はいろいろと大変なんだからね!」

 

「あんまりモタモタしてると置いてくぞ」

 

おれたちが言い争っていると、ティメラウスがおれを呼びに来た。

 

f:id:john0910:20171207062514j:plain ブライではなく、カインの剣の師匠ティメラウスです

 

 

バブルスライムハンターのオーウェンが城門前に来ているとティメラウスは言った。

 

「ティア、もう行くぞ!」

 

おれはティアを置き去りにして、ティメラウスと一緒に城門前へと向かった。

 

「えっ、ちょっと! ねえ、2人とも、待ってよ! あたしを置いてかないでってば!」

 

ティアは慌てて追いかけてきた。

 

おれはオーウェン、ティメラウス、ティアと共にムーンブルクへと降り立った。

 

 

ムーンブルク周辺は圧巻の光景だった。

 

近くの海岸には何隻もの船が停泊し、たくさんの男たちが船から降りてきていた。

 

「おう、元気だったか?」

 

頭上からの声に見上げると、ルプガナ船団長が船からおれを見下ろしていた。

 

ルプガナ船団長! あんたも元気だったか? いやぁ、すげえな。この船の数」

 

「ははっ、我が船団の力を見せつけようと思ってな。こうして見ると圧巻だろ!

 それよりぼうず、あっちを見てみろよ、どうだ? 懐かしいだろ?」

 

船団長が指を差した先に目を向けると、そこには『雷神丸』が停泊していた。

 

「おぉ、あれは『雷神丸』じゃねえか! ってことは、オルムも来てるのか?」

 

「ああ、来てるよ。あいつは先にムーンブルク城の方へ向かっていると思うぜ」

 

「へぇ。じゃあ、おれたちも城へ向かうよ。あとであんたも来るんだろ?」

 

「あぁ、この荷物をおろしたらすぐに向かうさ。じゃあ、またあとでな」

 

 

今日の集合場所は、ムーンブルク城のすぐそばにある、だだっ広い草原だ。

そこにはすでに人だかりが出来ていた。

 

人ごみの中をうろうろしていると、レオンとオルムが談笑しているのが目に入った。

 

「よおっ、カインじゃねえか!」

 

f:id:john0910:20171215030610j:plain このブログでのレオン(笑)

私は棚橋選手のファンです (*´ω`*)♡



おれを見つけたレオンが笑顔で近づいてきた。後ろからオルムも笑顔でやって来る。

 

「あんたたちも元気そうだな! レオンには、事前に今日のことを話してあったけど

 まさか、オルムも来てくれるなんて思ってなかったぜ。ありがとよ」

 

おれの言葉にオルムはニッと歯を見せた。

 

「船団長に誘われてな。おれもあんたたちに会えるのは嬉しいし、最近は雷神丸も

 めっきり動かしてなかったからよ。いい機会だと思って一緒に来たんだよ」

 

「おれも少しだけど、あんたたちと一緒に旅をしたからな。なんだか懐かしいぜ」

 

 

レオンとオルムと旅の思い出を振り返っていたところ、おれを呼ぶ声が聞こえた。

 

「カイン、カインよ! 探したぞ。そなた、こんなところにおったのか」

 

声に振り向くと、グランログザー師匠が手を振りながら近づいてくるのが見えた。

 

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「グランログザー師匠!」

 

すぐに師匠のもとに駆け寄ると、師匠はおれを見上げてニッコリと微笑んだ。

 

「いやあ、頼もしくなったのお」

 

まぶしそうにおれを見上げる師匠を見て、おれは軽口をたたいた。

 

「なんだよ、また1番弟子のダクダクバンボに似てきたとでも言うつもりか?」

 

おれと師匠は顔を見合わせ大笑いした。

 

「おおっと、こんな話をしている場合じゃないんだ。カインよ、デルコンダルには

 まだ30人ほどの男たちが迎えを待っているようじゃ。一緒に迎えに行くぞ」

 

おれはうなずき、師匠のルーラで一緒にデルコンダルへと向かった。

 

 

 

グランログザー師匠の言う通り、デルコンダル闘技場には30人ほどの男たちがいた。

その中に意外な男が混じっている。

 

ガルダー?! てめえ、なんでこんなところにいるんだよ?」

 

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体格の良い男たちとなにやら熱く語り合っている男を見て、おれは声をあげた。

 

「おお、ぼうずか。ここに来れば、どうせ誰かが迎えに来るだろうと思ってよ。

 王子に最強の武器はもらったが、まだ最強の防具は手に入れていないからな。

 最強の防具を探す旅をしつつ、今日に合わせてここに来たってわけだ」

 

「それで、最強の防具は見つかったのか?」

 

「いや、まだだ。いろいろ見てまわっても、コレというものが見つからなくってよ」

 

「おまえも訪ねていたみてえだが、やっぱり最強の防具はテパのドン・モハメが織った

みずのはごろもだろ。おまえもあのじいさんに頼んで、織ってもらったらどうだ?

 そして、ナナとおそろいで着るがいいさ」

 

この屈強なガルダーが、キラキラ輝く『みずのはごろも』を身にまとう姿を想像して、

おれは思わず吹き出した。

 

「てっめえ、おれをからかってんのか!」

 

ガルダーは笑いながらおれをなぐるマネをした。おれも笑いながら逃げるふりをする。

 

 

「カッカッカッ、おちびさんたちよ! 待たせたな!」

 

頭上から轟くような大声がした。

見上げると、竜王のひまごがおれたちを見て、炎を吐きながら降りてくるのが見えた。

 

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やれやれ、またうるさい奴がやって来たな。

 

デルコンダルからムーンブルクまで人を運ぶのは、このわしにまかせておけ!

 わしのこの雄大な翼を使えば、あんなところまではピューッとひとっ飛びじゃ!」

 

竜王のひまごは翼を左右にめいっぱい広げて、大きく胸(?)を張った。

 

実際のところ、このおっさんの背中に乗れるのは、せいぜいが3~4人程度だ。

空を飛んで移動できるとはいえ、輸送の観点で言えばルーラの方がよっぽど早い。

運べる人数は少ないし、時間もかかる。おっさんのやり方は、かなり効率が悪い…

だが、そんなことを言ったら、このおっさんはまたいじけるだろうからな。

 

「よおっ、おっさん。よろしく頼むぜ! まずはこいつを連れてってくれよ」

 

おれは、にこやかにひまごの元へ近寄ると、ガルダーをあごでしゃくった。

 

「よしよし、わしにまかせとけ! そこの男、わしの背中に乗るがいいぞ」

 

「え? おれがかよ?」

 

「そうじゃ。この王の中の王、竜王のひまごの背中に乗れるなんて名誉なことじゃろ?

   乗りたくてたまらんじゃろ? ん? ん?」

 

ガルダーは戸惑った顔をしながらも、竜王のひまごからくる圧力に諦めたらしい。

近くにいた数人の男たちを手招きして、一緒に竜王の背中に乗った。

 

へへっ、竜王のおっさんよ。ガルダーを思う存分、きりきり舞いさせてやるがいいぜ!

 

ガルダーたちを乗せた竜王のひまごは、上空に炎を吐き出すと飛び立って行った。

 

 

 

おれは竜を見送った後、まだ闘技場に残っている連中を集めて、呪文を用意した。

 

「二つの点は一つの点に。星幽界の守護者よ、われをかの場所へと導きたまえ。ルーラ!」

 

 

 

旅で出会ったいろんな仲間たちを、みんなまとめて大集合させてみました ( *´艸`)

登場人物全員のセリフを色分けしたら、カラフルで目がチカチカしますね (;´∀`)

 

世界中から「ナナのために!」と、これだけの人たちが一気に大集結するんだから

ナナは女冥利につきますね (*´ω`*)

 

 

神出鬼没で、集合場所にただ真面目にやって来るとは到底思えないガルダーと、

ただ静かにやって来るだけでは、イマイチおもしろくない竜王のひまご ( *´艸`)

 

どう登場させようかと悩んだんですが、考えるのもめんどくさくなって、  2人まとめて

飛ばしちゃうことにしました ( *´艸`)♪

 

さて、役者は揃いましたね (≧∇≦)

いよいよサプライズ決行です☆

 

 

次回もお楽しみに~ヾ(*´∀`*)ノ