ゲームブック ドラゴンクエストⅡを熱く語る!

不朽の名作「ゲームブック ドラゴンクエストⅡ」(エニックス版)                                        完成度の高い作品をゲームと比較しながら熱く語ります。 Twitter もあります→ https://twitter.com/john_dq2_book

【創作 ⑯】 聞き込み開始!

その夜は、変な時間に深く眠ったせいか、部屋に戻ってもまったく眠れなかった。

寝ようとして目を閉じると、まぶたにはナナの寂しげな顔が浮かんできた。

 

じりじりした思いで夜が明けるのを待ち、明るくなると早々に部屋を出た。

誰でもいい、昨日なにがあったかを知っている人物に話を聞きたかった。

 

廊下を歩いていると、昨夜おれを起こした女中が階段を掃除しているのが見えた。

おれは女中をつかまえ、昨日の晩餐会でのナナの様子について尋ねた。

 

なぜそんなことを聞かれるのかわからないとでも言いたげな困惑した表情で

「ずっと見ていたわけではないですが...」と女中は恐縮しながら話してくれた。

 

女中が見たナナの様子はこうだ。

 

昨夜、ナナは眠そうな顔をしているティアとリーナを見て部屋へと付き添った。

戻ってきたら、おれが寝ているのが目に入り、給仕を呼んで毛布を掛けさせた。

 

その後は、王子と談笑をして、その後は王妃とも楽しげに話していたらしい。

ずっと和やかでにこにこしていて、特に変わった様子はなかったという。

 

王妃と話していたというのが気になるが、まずは王子に話を聞いてみよう。

おれは女中に礼を言って解放すると、王子の部屋へと向かった。

 

 

「おはよう、カイン。昨日はびっくりしたよ。大丈夫なのかい」

部屋を訪ねると、王子はいつもと変わりない調子で出迎えてくれた。

 

この王子の様子を見た感じでは、昨夜トラブルがあったとは考えづらかった。

こいつは隠しごとが出来ない。なにかあれば顔に出てすぐにバレるタイプだ。

 

それに、こいつの性格なら「誰にも言うなよ」と口止めでもされない限り

気になることがあれば、自分からおれに話してくれるだろう。

 

王子と話すことで、ナナが落ち込んでた理由をつかめるかもしれない。

とりあえず、おれは王子に昨日ナナとなにを話したのかを聞いてみた。

 

「ん? 昨日ナナと? えーっと、なにを話したんだったかな。あ、そうだ、ぼくが

『どうせ直すなら、ローラの門をもっと明るい感じにしたいんだ』って言ったら

ムーンブルクも、綺麗な花が咲く明るいお城にしたいわ』なんて言ってたよ。

『花はいろんな色が混じっているのもいいけど、同系色でまとめても素敵よね。

 お城の壁が白だとしたら、どっちの方が映えるかしら?』って聞いてきてさ、

 ぼくはそんなのイメージできないから『うーん、どうだろうね』とごまかして

 うまく答えられなかったんだ。するとナナに『あたし、聞く相手を間違えたわ。

 王子に言ってもダメよね』なんて笑われちゃったよ。まいっちゃうよね」

 

「別に普段と変わらねえな。他になにか言ってなかったか?」

 

「他に? 『カインがこんなに無防備に寝てるの初めて見たわ』って言ってたかな。

 ぼくも同感だよ。旅をしてたころのカインはあまり寝てなくて、魔物の気配にも

 誰よりも敏感だったよね。あんなにぐっすり眠る姿はぼくも意外だった。だから

 そんな旅の思い出を話して、2人で『こんなカインは初めてだね』とか言い合って

 ぼくが『カインは自分の城に帰って来て安心したんだろうね』って言ったら

 ナナも『そうよね、やっぱり我が家は1番落ち着くわよね』なんて言ってたよ。

 うーん。よく覚えてないけど、ぼくと話したことってそれぐらいかなあ。

 でも、なんでそんなこと気にするんだい? ナナになにかあったのかい?」

 

「いや、昨日は寝ちまって晩餐会でなにがあったかなにも知らねえだろ。

 おれが寝てるときに、なんかおもしれえことなかったか気になっただけさ」

 

おれからも逃げだしたぐらいだ。

王子にはナナの様子がおかしかったことは言わない方が良いだろう。

 

王子はおれの返答に疑う様子も見せず

「特に面白いことはなかったよ。ただ、和やかな良い雰囲気の食事会だったよ。

 カインも起きてたら楽しめたんじゃないかなあ~」なんてのん気に言ってる。

 

確かに、王子との会話でナナが落ち込むような要素は感じられない。

 

......となると、王妃との会話が怪しいな。

 

王妃......か。

面倒なことにならなきゃいいけど。

王妃に会いに後宮へ行くのは気が引けるが、背に腹はかえられない。

 

「朝っぱらから悪かったな。ありがとよ。朝食までゆっくりしてろよな」

おれは王子に別れを告げると、足早に後宮へと向かった。

 

 

ナナのことが心配で心配で、まったく眠れなかったカイン殿下 (*´ω`*)

早朝からの捜査開始です!

 

カイン殿下が朝イチでまず捕まえたのは、晩餐会で給仕をしていた女中さん。

 

「メイド」と書くと「萌え萌えきゅん (*´ω`*)♡」のイメージになっちゃうので「女中」としましたが
まだハタチ前の地味でおとなしい(でもよく見ると可愛い)おねえさんを想像してください (*´ω`*)

 

彼女の話では、ナナはずっと穏やかにニコニコしていたみたいですね...(@_@;)

 

次にカインは「ナナと談笑していた」という王子にも会いに行きますが

王子はあいかわらず『のほほ~ん』としていて (;´∀`)、有力情報は得られず…。

 

実際は王子との何気ない会話にナナが悲しくなる要素が含まれているんですが 

カイン視点では「特におかしな点はナシ」と判断されました (;´∀`)

 

次回は後宮へ行き、継母との面会です。

血のつながりはないこの2人、いったいどんな親子関係なのでしょうか?

 

 

では、次回もお楽しみに~ヾ(*´∀`*)ノ