ゲームブック ドラゴンクエストⅡを熱く語る!

不朽の名作「ゲームブック ドラゴンクエストⅡ」(エニックス版)                                        完成度の高い作品をゲームと比較しながら熱く語ります。 Twitter もあります→ https://twitter.com/john_dq2_book

【創作 ④】 カインの計画

「さすが国王閣下! 話が早い。じゃあ、遠慮なく言わせてもらおう。

 今度の闘技大会は中止してくれ!


「な、なんじゃと!?」

デルコンダル王の大きな声を聞いて、謁見室の外にいた臣下たちが

剣の柄に手をかけながらいっせいに謁見室へと飛び込んできた。

王様は軽く手をあげて家臣たちを制した。


「闘技大会は、わしが最も楽しみにしている大切なものじゃ。

 おぬしは命の恩人のわしから、その楽しみを奪おうというのか?

 それに、この国でおこなわれる闘技大会はただの娯楽ではないぞ。

 わしも年だ。そろそろわしの後継者も見つけにゃならんのだ。

 この国は、最も強い者が統治するのが古くからの習わし。

 次の大会は、後継者を選定するための国をあげた一大イベントなのじゃぞ?」

 

「国王閣下はまだまだ元気だから心配ねえよ。そんなに血の気が多いのに

 かんたんにくたばったりしねえさ」

 

おれがそう言うと臣下たちは「何を言う!」「この無礼者め!」と口々に

叫びながら、剣を鞘から抜いて身構えた。

 

王様に似たのか、家来たちもみんな血気盛んなこった。おれは苦笑した。

 

デルコンダル王は臣下たちには見向きもせずに、おれの顔をじっと見つめていた。

話を続けろということだろう。おれはひと息ついて話し始めた。

 

「おれたちがハーゴンをやっつけたおかげで世界は平和を取り戻した。

 ローレシアなんて、スライムがのんきに散歩してるぐらいだ。

 でも、この世界にはいまだに平和とは言い切れない場所が1つだけある。

 閣下、それがどこだかわかりますか?」

 

「うん? いまだに平和じゃない場所があるじゃと......」

 

腕組みをして考え込むデルコンダル王を見ながら、おれは語気を強めて言った。

 

「それは ムーンブルク さ。確かに魔物は消え、襲ってくる敵はいなくなったが

 城はまだ崩れたがれきが放置されたまま、痛ましい姿をさらしてる。

 もちろん、ナナ姫にはこれから多くの援助が差し伸べられるだろう。

 全世界にムーンブルクへの支援の輪が広がるはずだ。でも、まだまだ足りねえ。

 崩れたがれきを取り除き、新しい城を建設するには膨大な人の力が必要なんだ」

 

「そこへ力を貸せということか」

 

「そのとおり。闘技大会には屈強な猛者たちが集まってくるだろ?

 そいつらの有り余る力を闘いではなく支援に使ったらどうだってことさ。

 デルコンダル王の指揮で大会出場者をムーンブルクに送り込んで欲しいんだ。

 ムーンブルクが見事に復興したとき、王女はきっと言ってくれると思うぜ。

『偉大なるデルコンダル王のおかげでムーンブルクは復興しました』ってな。

 おれたち3人を破壊神シドーの魔の手から救い、さらにムーンブルクの復興にも

 貢献したとなれば、閣下のことを全世界が称賛するだろうな。

 そうすれば、ますます優秀な猛者が後継者候補として現れると思うぜ。

 有能な後継者選びは、それからでも充分なんじゃねえか?」

 

デルコンダル王は、おれの目をまっすぐに見つめていた。

その目がキラキラと輝いている。

 

王様は玉座に腰かけなおすと、自分の膝をパンっと叩いた。

 

「さすがはわしの見込んだ男だけあるな、サマルトリアの王子よ。

 国宝だった貴重な宝石を渡して助けた甲斐があったわい。

 ムーンブルクの復興を手伝い、歴史にその名を刻む...か。

 力自慢の男たちにとっても、武闘大会で勝つのと同じぐらい名誉なことだろう。

 よし!わかった。今度の大会は中止して、参加希望者はわしが責任を持って

 ムーンブルクへ送り込むことにしよう」

 

 

予告していたとおり、たいしたことない会話でした~ (;´∀`)

ここで、ちょっと時間をさかのぼって、泣いている王子とナナを横目に見ながらの

カインの脳内を再生します ↓↓

 

壊れた建物を取り除くにも、新しいものを建てるにも人手が必要。

どうせなら、若くて力も体力も有り余っているような人材がありがたい。

そんな力自慢の奴らが多く集まっている場所ってどこだ?

そうだ デルコンダル、行こう。

 

でも、行ったらまた「猛獣と戦え」とか言い出さねえだろうな。

一応、レイピアだけは持って行くか。

まあ、猛獣が出てきても、ザラキが効けば問題ないだろ。

 

仮に捕まって牢に入れられたところで

リレミト」で逃げ出しゃいいんだから、恐いもんなしじゃねえか。

 

なんだ、やっぱりおれって最強だな!

よし、あとでサクッと行ってくるか。

 

こんな感じでデルコンダルへ行き、思い通りにやり遂げましたヾ(*´∀`*)ノ

カインはこのまま気分良く、ローレシアに帰ります。

 

いよいよ、みなさまお待ちかねの会話シーンが見られるかも??

 

 

次回もお楽しみに~ヾ(*´∀`*)ノ