前回はカインと共にキメラの翼でムーンペタに帰ってきてのマンドリル戦でした。
今回は、ムーンブルク城を出てカインと別行動をとった場合の話です。
ラーの鏡を手に入れ、キメラの翼でムーンペタに帰ってきたローレシア王子。
カインを探そうと町の中に入ったぼくに、町の人たちが駆け寄ってきます。
「マンドリルが攻めてきたぁ!」
「煙の化物だぁ!」
見るとマンドリルたちは、ものすごい勢いでひとりの人間を追いかけているようだ。空からも、たくさんの雲の固まりのような魔物が、追尾してくる。その若い男は白いむく犬をかかえ、必死でこっちへ向かって逃げてくる……あれは、カインじゃないか!
ぼくは、剣をかまえて突進していった。敵の数はマンドリルだけでも片手にあまる。それにわけのわからない雲の化物までいる。一瞬、この戦いで死ぬかもしれないという予感がした。だが敵の足は遥かに速く、逃げられるものではない。
カインと目が合った。小犬はぼくを見て、キャンキャン吠えた。マンドリルはカインの背中に迫っていた。彼は一瞬振り返り、それから大声で叫びながら小犬をこっちに放り投げた。
「ナナを頼んだぞ!がっ!」
次の瞬間、カインはマンドリルに襟の後ろをつかまれて地面にたたきつけられた。そのままマンドリルは、カインを踏みつけた。断末魔の叫びがあがった!
「カイーン!」
ぼくは盾を捨てて、小犬を受け取った。小犬は振り返って、きゅうーんと、せつない声でないた。片手一本でどこまで戦えるだろうか?だが、やらなければカインの死を無駄にすることになる!
上巻 ロトの末裔たち|エニックス出版局 編
私のつたない文章では表現しきれないので、原文を抜粋しました。
初見でゲームブックを読んだとき、このルートになりました…(´Д⊂グスン
ラーの鏡をとり、ようやくナナを仲間に出来ると意気揚々と町まで帰ってきて
帰ってきたとたんに、この仕打ちです (>_<)
今までの戦闘でも、カインが死んでしまうことはありました。
でも、こんなむごい書き方をされたのは初めてで、小学生の私には大ショック…。
(王子が死んでしまうときは、ぼくが意識を失うのでひどい表現にはならないです)
ただの冒険ではない、命をかけた魔物との戦いなのだと改めて感じました。
楽しい旅ではなく、仲間が目の前で惨殺されることもあるんですよね。
(今後もひどいシーンはいくつも発生します)
命がけでナナを守り、自らの死を悟って王子にナナを託して死んでいったカイン
目の前でカインが死ぬのを見て、せつない声でなくことしかできない犬のナナ
カインから託された命を守り、ほぼ丸腰でマンドリルに対峙するローレシア王子
(盾を捨ててナナ(小犬)をかかえているので、盾の防御力は無効です)
3人ともが悲しくて、せつなくて、おばさんになった今でも胸が痛みます。
カインと一緒に戦っても、カインを失ってたった1人きりで戦うにしても
どちらにしても、つらくて苦しいマンドリル戦。
この戦いの結末は、次回に続けます。
次回もお楽しみに~♪