ゲームブック ドラゴンクエストⅡを熱く語る!

不朽の名作「ゲームブック ドラゴンクエストⅡ」(エニックス版)                                        完成度の高い作品をゲームと比較しながら熱く語ります。 Twitter もあります→ https://twitter.com/john_dq2_book

【創作 24】 英雄戦士の行方

「うわっ、結構ひでえな!」

おれはみんなより先にローラの門へ足を踏み入れて「レミーラ」の呪文を唱えると

明るくなった洞窟内を見まわして、思わず大きな声を出した。

 

地面はドラゴンの足跡でボッコボコ、壁はメタルハンターの鉤爪で傷だらけ

付近一帯がドラゴンの炎で黒く焼け焦げ、硫黄のにおいがわずかに残っていた。

 

おれに続いて洞窟内に入ってきた王子とサイラスは、2人とも真剣な面持ちで

周囲を注意深く観察し、壁や地面の被害状況をこと細かく調べていた。

 

サイラスは王子のすぐわきに立ち、王子が指し示す場所を熱心に書き留めている。

 

続けて入ってきたナナたちも、全員が騒ぐことなく神妙な顔で周囲を見回していた。

 

先頭の王子とサイラスが、被害状況を確認しながらゆっくりと先に進んでいく。

真剣な2人の様子におれたちも押し黙り、2人の後をついて歩いた。

 

おれとナナはボコボコの地面でティアとリーナが転ばないように手をつないで歩き

最後尾にアルファズルが続いていた。

 

足を踏み入れた当初は、ローラの門全体がひどく荒れ果てているように感じたが

サマルトリアから入ってすぐが一番荒れていて、進むにつれて道は良くなっていた。

 

洞窟の中程になると、壁はほぼ無傷で、地面もところどころ陥没してる程度だった。

最初はどうなることかと思ったが、この程度なら修繕も簡単に終わりそうだ。

 

明るい見通しが立ち、気がつけばおれたちは雑談しながらダラダラと歩いていた。

 

「なあ、カイン。きみはムーンペタに行った後はどうするんだい?」

 

「そうだな。まず、デルコンダル王に会って今後の方針を話してくるだろ。あとは

 おれたちで勝手に統率者に選んだ、レオンとガルダーにも会いに行かねえとな」

 

「レオンか~。なんだか懐かしいな~。レオンってことはテパの村だね」

 

「ああ、あのおっさんは簡単だからいいんだけどよ。問題はガルダーだよな。

 あいつは神出鬼没だからよ。今どこにいるのかさっぱり見当もつかねえ」

 

「確かに。ぼくたちが旅をしているとき、ガルダーはどこにでも現れたけど

 じゃあ今どこに行ったら会えるか?って聞かれても、よくわからないよね」 

 

f:id:john0910:20171207061611j:plain どこにでも現れるけど、どこにいるかわからない男。ガルダ

 

 

おれは後ろを振り向いて言った。

「なあ、サイラス、アルファズル! ガルダーの野郎は今どこにいるんだ?」

 

…「ガルダー殿ですか?」

 

 

おれの質問をきっかけにして、サイラスとアルファズルはロンダルキアの洞窟で

おれたちと別れた後の3人の様子について話をしてくれた。

 

ナナも興味津々で、サイラスとアルファズルの話に耳を傾けている。

 


おれたち勇者ロトの子孫3人がロンダルキアの洞窟に入るのを見送ったあとも

ガルダー、サイラス、アルファズルの3人は洞窟から出てくる魔物と戦っていた。

最初はひっきりなしに出てきていた魔物が、あるときピタリと止まった。

 

「おまえたちが紋章をそろえたときだ」

 

おれたちが紋章を5つそろえると、まばゆい光と共にルビス様があらわれた。

ルビス様はおれたちにいつも見守っている証だと「ルビスの守り」を渡してくれ

張られていた結界を打ち破って、おれたちをロンダルキアの大地へ導いてくれた。

 

まさにそのタイミングで、洞窟から魔物が出てこなくなったのだという。

 

「なぜ、外にいたのにぼくたちが紋章をすべてそろえたとわかったんですか?」

王子がまた、今さら何言ってんだ?という質問をアルファズルにしている。

 

「アルファズルは賢者だからな。魔法の力を使えば、それぐらいのことはわかるさ」

アルファズルの代わりにおれが答えると、王子は心底驚いたという表情になり

「へえーっ、賢者ってすごいんだね」と言った。ホントに大丈夫か? こいつ......。

 

「まあ、とにかく。ロンダルキアの洞窟から魔物が出てこなくなったのを確かめて

 我々は来た道を戻ってベラヌールに帰った。魔物が出てこなくなったとはいえ

 ロンダルキアから続く道をそのまま開放しておくのはよくないので、教会の扉を

 再び厳重に封印して、その日はそのまま3人ともベラヌールで休むことにした」

 

「次から次へとあらわれる魔物と、ずっと戦い続けて疲れ果てていましたからね。

 アルファズル殿も、扉の封印で最後の魔力を使い果たしてフラフラでしたし

 私の剣は途中で折れ、鎧や兜も見る影なく身体中が傷だらけの満身創痍でした。

 私よりはるかに素晴らしい武器や防具を装備していたはずのガルダー殿も

 剣は刃が欠けてしまって使い物にならず、防具もボロボロになっていました」

 

サイラスは淡々と話しているが、実際の戦況はひどいもんだっただろう。

おれたちはあらためて魔物の流出を全力で食い止めてくれた3人に感謝した。

 

「その後、ゆっくり休んで体力も回復し、これからどうするかという話をした。

 サイラス殿はローレシアに戻るというので、わしが魔法で送ることにしたが

 ガルダーはもっと頑丈で強力な武器と防具を探したい。また旅に出る

 1人で旅立ってしまった。元気にしているようだが、今はどこにいるのやら」

 

「そっか。あんたたちも、ガルダーが今どこにいるのかわかんねえのか」

まあ、おれ様のルーラでどこでも行けるんだから、じっくり探せばいいだろう。

 

 

そんな話をしているうちに、だんだん周囲が明るくなってきた。

洞窟の出口が近づいているようだ。

 

ローラの門もこのあたりまで来ると、まったく破損箇所は見られなかった。

 

出口まで、みんなで競争よ!

前にいたティアが突然走りだした。一緒にいたナナとリーナも続く。

 

おいっ! ずるいぞ、おまえら!

おれも慌てて走り出した。王子もおれの後に続いて走ってくる。

 

先手を取られたとはいえ、まだ女子供に負けるようなおれ様じゃねえ。

最後の数メートルで先頭にいたナナをかわし、おれは1番に洞窟の外へ出た。

 

急に明るくなって慣れない目の先に、ぼんやりと人影が見えた。

 

「遅かったの、カイン」

 

 

ロンダルキアの洞窟前で、ガルダー・サイラス・アルファズルと別れてから

この3人がどうしていたのかを書きたかったので、書いてみました~ (*´ω`*)

 

ガルダーは世界が平和かどうかなんて関係なく、人生をかけて最強の武器と防具を

追い求め続けるイメージですよね! ということで、また神出鬼没です... (;´∀`)

世界をまわっていれば、またどこかで会えることでしょう (^_-)-☆

 

 

さて、あまり被害もなく、最後はみんなで競争しながら走り抜けたローラの門。

 

出口では (このしゃべり方でバレバレだけど (;´∀`)) カインのことを知っている

「ある人物」がカインたちが出てくるのを待っていたみたいですね。

 

 

さて、この人物はいったい誰なんでしょう? (←だからバレバレだって!)

そしてカインたちを待っていた理由とは?(←これはバレてない (≧▽≦)☆)

 

 

次回もお楽しみに~ヾ(*´∀`*)ノ