ゲームブック ドラゴンクエストⅡを熱く語る!

不朽の名作「ゲームブック ドラゴンクエストⅡ」(エニックス版)                                        完成度の高い作品をゲームと比較しながら熱く語ります。 Twitter もあります→ https://twitter.com/john_dq2_book

【創作 52】最難関

デルコンダル王には、ムーンブルクに来てローレシアと同盟を締結するよう持ち掛け

 

王子には同盟締結の場で「ロトの印のステッカー」を渡すように話をつけた。

 

国家間の連携を示す重要な場面で、あんなものを友好の証として渡すような王子を

デルコンダル王が「国家を脅かす存在になり得る」などと警戒するはずがない。

 

王子の意図を正確に理解すれば、警戒を解き、笑って同盟を締結するはずだ。

 

あとはナナに作戦を話して、王子の意図を説明してもらうよう協力を求めればいい。

ナナは王子の異名を払しょくするために最も協力的だから、説得するのも簡単だろう。

 

軽く考えていたおれは、ここで改めて重要な問題に気がついた。

 

 

おいっ!

ナナにどう説明するんだよ?

 

 

ムーンブルクの再建は、おれや協力してくれた仲間たちで考えた最大のサプライズだ。

 

おれがデルコンダルに出向いたことも、デルコンダル王が全面協力してくれたことも

大勢の人物が、ムーンブルク再建のために動いていることもナナにはすべて秘密だ。

 

再建がいよいよ始まることも、その日に合わせてデルコンダル王や王子が

ムーンブルクに来る予定になっていることも、ナナに言えるはずもないんだ。

 

 

しまったっ!

おれ様としたことが、重要なことを忘れていた!

 

 

いったいどうするよ?

 

ナナの協力が得られなかったとしても、この計画はなんとかなるだろうか?

 

 

いや! ダメだ。

 

王子がデルコンダル王に渡す「ロトの印のステッカー」は、国家間の友好の証であり

さらに両者の友情の証でもあるこということは、ナナにしか伝えることが出来ない。

 

 

今の状況で、ナナにそれを伝えてもらうにはどうすればいい?

 

ナナにとって、ロトの印のステッカーは王子からもらった誕生日プレゼントだ。

決して大きな意味を持つものではない。

 

だが今は、ロトの印のステッカーこそが、王子の汚名返上に重大な意味を持つことを

ナナにわかってもらう必要がある。

 

 

だが、いったいどうやって?

ムーンブルクのことをいっさい出さずに、ナナにどう話を持ち掛ければいいんだよ?

 

おれは必死で考えを巡らせてみたが、妙案はなにも浮かんでこなかった。

 

 

くそっ! どうすりゃいい?

 

 

いっそのこと、ナナに言ってしまうか?

 

ムーンブルクのためにみんなが動いていて、全員が再建のために集結するんだと。

そんな人が集まる機会を利用して、王子の汚名も返上するつもりでいるんだと。

 

 

いや、そんなこと出来ねえ。

 

仲間だけじゃなく世界中の人たちが、この日のために動いてくれているんだぞ。

「ナナが驚き、喜ぶ顔を見たい!」、全員がその一心で動いてくれているんだ。

おれの作戦のために、そいつらを失望させるわけにはいかねえ。

 

 

ナナに打ち明けたうえで、当日はみんなの前で驚くふりをしてもらうか…?

 

いや、それこそここまでガンバってくれた連中への最大の裏切り行為になるし

ナナも絶対に同意しないだろう。

 

 

ムーンブルクでナナを驚かせたあとで、協力を持ち掛けるのはどうだ?

 

サプライズのことは明かさずに、ナナに作戦への協力を求めるにはこれしかない。

だが、当日はものすごい数の人間が集結するだろうし、その主役はナナだ。

みんながナナのもとに集まり、ナナもたくさんの奴の相手をしなくちゃならない。

そんな中で、おれと話をする時間が確実に確保できるとは言えない。

午後にはデルコンダル王や王子が来てしまうんだぞ? 当日に話を持ち掛けるのは

かなり危ない橋を渡ることになる。もっと確実な方法を取らないと!

 

 

だが、いくら考えてもなにも浮かばない。

ここまで来て、最大の難関だ。

 

 

おれはバタリとベッドに倒れ込んだ。

そのままぼんやりと天井を眺めていると、ある人物の顔が浮かんできた。

 

 

f:id:john0910:20171209035214j:plain 大賢者アルファズル

 

「良策を思いついたようだが、行き詰まることがあればいつでも訪ねてくるがいい。

 多少なりとも相談ぐらいは乗ってやれるだろうからな」

 

アルファズルの言葉が脳内に響いた。

 

そうだ。1人で悩んでいても仕方ない。

どうせ、今日はナナに会うためにムーンペタへ行こうと思っていたんだ。

ここでグズグズ考えるより、アルファズルに話せば妙案が生まれるかもしれねえ。

 

おれはベッドから起き上がり、ムーンペタへと向かうことにした。

 

 

 

今回は、作者の「心の叫び」をカインに代弁してもらいました… (;´∀`)

 

ここまで、デルコンダル王、王子(サイラス)と作戦通りに順調に説得してきて

「あとは、1番簡単なナナを残すのみ! 楽勝や~ん♪」と軽~く考えていたところ

いざ、続きを書こうとした段階で「あれ? ヤバくね (◎_◎;)?」となりました (;´∀`)

 

ということで、今回は(とってつけたような)時間稼ぎの回になりました (;´∀`)

前回の予告で「次回はナナに会いに行く」と書きましたが、思いもよらない事態で

急きょ、こんなことになってしまいました… ごめんなさい (>_<)

 

カインが王子の異名を払しょくする策を思いついたとき、アルファズルは

「もし行き詰まったら、いつでも相談しに来い」と言っていましたが、これは

『カインの帰り際に、アルファズルなら言いそうだな~』と思って書いただけで、

まさか、本当に相談しに行くことになるなんて、思ってもいませんでした。

(カインと同じように、ナナの説得は楽勝だと作者も思っていたんでね ( *´艸`))

 

さぁ、次回アルファズルに会って、起死回生の一手は出せるのでしょうか?

(それは私にもわかりません (;´∀`))

 

 

アルファズルよ!! 頼む、おれを助けてくれ!

(カイン&作者の心の叫び)

 

 

では、次回をお楽しみに~ヾ(*´∀`*)ノ